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三菱の方

日韓の慰安婦問題の(内容ではなく)合意の意味について戦略的に考えてみた。2015年12月30日 22時45分41秒

今回の日韓の慰安婦問題の合意について、ちょっと考えてみました。

まあ、いろいろ意見はあるのだろうけど、内容の当否は置いておいて、外交戦略の観点に絞って、「その観点からのみ」今後の進行について考えてみます。

今回のは最終合意ということですが、まず、


韓国政府が国内を説得するのは不可能に近い。


もう煽りすぎて、アンコントロールです。


日本としては、そんなことは百も承知(のはず・・・)


そこで、今回は、第三国。とりわけブルー陣営の総大将国であるアメリカさんにお墨付きをもらうことを考えた。というより、これが第一。
だから、書面化にもこだわらなかった。
なぜって?
韓国を信用してないから。
信用してない相手に書面を交わしても無駄。
でも文章があるんだよ?
文字なんて後で何とでも曲解できるし、きっとやる(韓国は、予想通り、実際もう始めてます。)。

だから、今回の合意があったとき、日韓の反応より、アメリカさんの動向が気になって、ニュースを見てみたんだけど、最初、全然なくて・・・(このあたりマスコミも視点がずれてる。)


このごろ、ようやく出ましたね。
http://www.sankei.com/world/news/151229/wor1512290030-n1.html
http://www.sankei.com/politics/news/151229/plt1512290016-n1.html
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151229/k10010356091000.html


「包括的な解決策であり、合意と完全な履行を支持する」
「国際社会に合意を支持するよう求める」

アメリカとしては、最大限の大満足。期待通り。思い通り。予定通り。
なぜ安部首相がこの時期全責任を負うとまで言って、強行したのか。
言わずもがなです。


韓国は、とくに、当該問題を存在理由とする団体もいますし、強度の序列観念やプライドとその裏返しである果てない屈辱感から、完全勝利、日本が完全屈服以外は、不満を残すでしょうから、当然、不満を言います。
アメリカが、韓国国内の不満について、「こうした不満に応えるのは韓国政府の仕事だ」とまで、言っているのは注目できます。


さて、本題の今後です。


韓国としては、国内の反発は相当激烈になると思います。
政治家の皆さんとしては、どうしたい?
有権者の猛烈な反発は怖い。支持団体もね。

今はともかく、また、政権中枢以外は特に、この合意は、泣く泣く行ったわけで、真意じゃないので無効にしたい・・・って思いません?


でも合意がある。「こちらから」は破れない。

なら、相手に破ってもらおう。


ということで、自己都合解釈が始まります。


今後、きっと、必ず、日本政府の言動、いや、政治家レベル、いや、知識人レベル、いやいやネットウヨレベルの発言にまでほじくり返して、こういうでしょう。


「合意に反して、日本は真に謝罪を履行していない。」


「真の謝罪」って何?ずっと言われていたように、これはマジックワードです。いつでも、後からでも言い続けられる。
これを完全に防ぐ(和を以て貴しとして波風立たないようにする)には、国民1億が一人残らず、韓国に対して、シュンとなる(言い返さない)しかありません。


「日本が合意を履行しないのだから、我々も履行しない」
(早くもこの雰囲気が熟成し始めているのが恐ろしい。早すぎww)
と韓国は言う可能性は極めて高い。


このくらい、ミエミエ・・・と日本政府は思っていると信じたいです。

で、ここで重要なのは、やはりアメリカということになる。


「蒸し返すな」


韓国政府は、ジレンマに陥ることになります。
つまり、担保は、アメリカであって、キーポイントでもあるのです。

今回の合意がアメリカの意向であれば、日本が破談にするのは現実問題として難しかったのではと思います。そうであるなら、今回の形は、とりあえずぎりぎりの戦略であった、というより、そうでなくてはならないはずでしょう。


今回見えてきているのは、アメリカさん。相当なお怒りをもっているようです。中東で忙しく、中国に対応するのが大変で、日本や韓国には、うちの陣営として手伝ってくれないと困る。日本は手伝うって言っている。なのに、韓国はこれを邪魔するだけでなく、中国を支援している。イライラ。
日韓の問題なんて興味ない、と言い切れなかったのかもしれません。


アメリカは韓国を切るかというと、ところどころ邪険に扱って、翻意を促しはしても、完全には切らないでしょう。
これは、韓国を手放したくないというよりは、韓国を中国にはやらないということです。
戦略的には、怖い国ですよ。もし、韓国が中国に完全につきそうになったら、何をするかわかりません。戦争はしないでしょうが、内部的に親中政権を倒しに行くと思います。経済圧力から始まって、敵対勢力、プロパガンダ、外圧・・・総動員で、最終手段としてはクーデターなんて・・・。いずれにしろ、ボロボロにされるでしょう。
あそこに親米勢力を失うというという選択肢はアメリカにはないでしょう。

朴政権も怒気を恐れたから、この時期の合意になったと思ってます。


で、最後に、重要なことは、今回の合意については、外交戦略としては、始まりに過ぎないということは、肝に銘ずるべきでしょう。


賽は投げられた。


気を引き締めていかないといけません。
これで終わったなんて思ったら負けです。やっとスタートしたと思いましょう。
だから、合意に対する不満批判は、「日本政府に厭戦気分を味合わせないために」重要、と考えるべきです。


合意はお互いに履行されなければ、意味はない。日本だけは誠実にという発想はかなり外交戦略的にはやばい。そうしたいなら、今後、韓国の下にいる覚悟をしてください。せめて対等と、思うなら絶対ダメです。

合意が履行されなければ、基金も動きません。その覚悟を持って、アメリカにも、責任を取ってもらわないといけません。そのためにも、安易な妥協・安易な解釈変更・曲解に対しては、厳しく対応して、声を上げる必要があります。そうしないと、アメリカに放っておかれるでしょう。
アメリカに「韓国何やってるんだ。いいかげんにしろ」と思わせないとダメです。
今回の合意が日本の完全敗北だという人もいますが、アメリカが「日本が妥協したのか。じゃあ、ま、いいか。」となった、その時点が本当の完全敗北と考えるべきだと思います。


つまり、外交戦の観点からは、ようやくゲートが開いたのです。
勝負はこれからです。
しっかり、経過を見ていきましょう。

追記2015年12月31日 21時27分50秒

http://www.sankei.com/world/news/151231/wor1512310039-n1.html
「慰安婦」日韓合意 「合意破棄論」も 朴槿恵大統領になお逆風 警察が抗議の学生ら30人が連行


想像はしていましたが、これは、なかなかですね。
まさに、アンコントロール。


韓国政府は、「合意破棄」に対しては、強行に対処するんじゃないですかね。
というより、そうせざるを得ない。まだ、日本が「合意違反」したと言うには、既成事実の積み重ねが足りないですから。
「彼らから」合意を破棄することはできませんから。

そんなことしたら、現「政権」はアメリカから完全に見放される恐怖があるでしょう。韓国が触れた怒気は相当なものです。


ですが、合意の「独自解釈」「曲解」はするでしょう。
これは「破棄」じゃないですから。
当面は、この合意の独自解釈で国内世論の鎮静化を狙い、この点で日本政府に強硬姿勢を見せながら、国内の強硬な破棄論には弾圧を加える。
韓国政府は、おそらくそうすると思います。


ここで、日本がするべきことは、この内紛から時々飛んでくる火の粉(独自解釈)に対して、きちっと、その都度、面倒でも、日本の立場を主張し、淡々と反論をすることです。


そうすれば、悪い方向にはいかないと思いますし、面白くはなると思います。




それにしても、韓国野党勢力はアメリカの怒気に直接触れてないし、自分たちと現時点で直接関係ないから、好き勝手に攻めまくれる。
いや~韓国政府も大変だねwww



思ったんだけど、慰安婦増撤去の努力義務って、所詮努力義務だけど、撤去のような一回的行為じゃなくて継続的なものだから、撤去されない限り、努力をする義務から解放されないんだよね。これって、「日本が合意を履行しないなら撤去しない」とは言いやすいけど、「撤去する努力をしない」とは言いにくいんだよね(これでは説得できないとは言ってくるかなあ。)。撤去されていないという「事実」があると「韓国政府の努力が足りないからだ」と言いやすい。事実は強いよ~。
また、説得先と基金の受取人がほぼ同じ勢力というのも、基金の設立と撤去の話がリンクしやすくなっている。撤去に同意しないということは基金の設立がほぼ無意味にもなる。設置団体も撤去しないで基金だけ受け取るとはさすがに言いにくいんじゃないかな。意外と曲者だぞ。これwww←ここは、日本政府は、ちゃんとついていこうね。

もし、日本政府がきちっと考えていたのなら、今後は、「アメリカの目」を意識しつつ立ち回るんじゃないかな。